山頂は終日、気温0℃前後から氷点下で霧雨が降り続く。現在の積雪深は172cm。風は比較的穏やかだが、突風時には体感気温が日中で-5℃、夜間は-10℃まで冷え込む。この低温と持続的な霧雨は、体を濡らし低体温症のリスクを著しく高める。特に日帰り困難なロングコースであるトムラウシ山では、行動時間の長期化がそのまま危険に繋がる。

視程は現在7.8kmだが、霧雨の継続で視界は悪化する。北沼・南沼の天空湿原やロックガーデンといった巨岩帯では、濃霧による道迷いの危険性が非常に高い。2009年遭難事故の教訓からも、大雪山系深部での気象急変とそれに伴うリスクを常に意識すべきだ。本日は終日降水確率100%であり、本州3000m級に相当する厳しい気象が続く。

行動中のレイヤリングは、速乾性ベース、厚手フリースや薄手ダウンのミッド、防水透湿性アウターを上下で着用し、予備の保温着と防水手袋、厚手の帽子は必須。足元は残雪と濡れた岩、泥濘が予想されるため、防水性の登山靴に加えて、凍結に備え軽アイゼンまたはチェーンスパイクを携行すること。GPS、地図、コンパスは道迷い対策として不可欠だ。

本日のトムラウシ山への入山は、低体温症と道迷いのリスクが極めて高く、行動の中止、または大幅な計画変更を強く推奨する。夕方から夜間にかけて気温はさらに低下し、湿った雪や濡れた場所が凍結し始める。撤退を視野に入れた慎重な判断が求められる。