剱岳山頂付近は午前7時30分現在、ほぼ晴れで気温はマイナス0.3度、体感はマイナス3.4度。山麓との気温差は5.6度と大きく、標高差によるコンディションの変化は顕著だ。積雪深は193センチメートル。日中は気温が上昇し、正午にはプラス3.4度まで上がる見込み。このため、残雪の表面は緩み始め、踏み抜きや滑りやすさが生じやすい。

午後3時には霧雨が予想され、降水確率は92パーセント。0.7ミリメートルの降水でも、別山尾根や早月尾根の鎖場といった急峻な岩稜では、濡れた岩が滑りやすくなり、滑落リスクが大幅に増大する。ヘルメットは必携だが、落石も発生しやすい時期であり、常に周囲への警戒が必要となる。アイゼンとピッケルは必須装備とし、防水透湿性の雨具も必ず携行すること。

体感気温は日中プラスに転じるが、霧雨で濡れると体温が奪われ低体温症のリスクが高まる。吸湿速乾のベースレイヤー、保温性の高いミッドレイヤー(フリース等)、防水防風のアウターシェルで適切にレイヤリングし、停滞時には薄手ダウンなどで保温を強化する。風は日中最大突風5.4メートル毎秒と穏やかだが、濡れた岩場での行動には十分な注意が必要だ。

夜間から翌早朝にかけては再び気温が氷点下まで冷え込む。日中に緩んだ雪面や濡れた岩稜は凍結し、翌朝にはアイスバーン化する可能性がある。行動は経験者パーティーに限定し、慎重な判断と確実な行動を徹底すること。